クソ漏らすことぐれえ誰だってあっぺ
田んぼでヒエ取りの手を休めて腰を伸ばした父(80過ぎ)が突然云いました。
「トッコやんとご(処)の爺ちゃんがクソまみれになってたんだと…」
ポテ子は先日その話を訊いて知っていたので黙っていました。
初めて訊いたウマ夫(ポテ子の息子)が驚いて
「なにぃ~!クソまみれぇー?何だそれぇ!(笑)」と大きな声をあげました。
父
「トッコやんとごの(処の)爺ちゃん居べ?こないだ(この間)クソまみれになって倒れでだんだと…(笑)」
ウマ夫
「ウンコ漏らしちまったんだっぺよ…でも…なんで?…ボゲちまったの?」
ポテ子
「酔っぱらって転んじゃって…そしたら出ちゃったみたい…」
父
「あの人は好ぎだがら毎晩やっぺよ(晩酌)…酔っぱらっちまったんだっぺ…」
ウマ夫
「酔っぱらったからってフツウウンコは漏らさめえよ(笑)…なあ?」
父
「昼間でも呑むっちゅうぐらい好ぎだがら…そんで自分の部屋があっぺ?だがらそごで 呑むんだっぺよ…」
ポテ子
「まー好きだからね…自分の部屋で呑んでそのまま眠ちゃったんでしょう…そしたら大きな音がしたんだって…ゴットーン!!って…それでお嫁さんがすっ飛んでったら額から血ー出して倒れてたんだって…。」
ウマ夫
「血ってどれぐれぇ?…ちょごっと切ったぐれぇ?…」
父
「いーや…いっぱいだど…あだまの後ろ…こごらにだらだら流しでたんだっちゅうわ…」
ウマ夫
「そんじゃ大変だっぺよ、嫁もビックリしたっぺ…病院連れでったのが?」
ポテ子
「うぅ~ん…お嫁さんそういうのにもう慣れてるみたい…タオルでキュキュッと拭いてばんそうこうをペタンって貼り付けて置いた、って云ってた…(笑)」
ウマ夫
「いっぱい切れてんのに大丈夫なのが?」
ポテ子
「血を拭き取ったら一センチくらいだったって云うから…大丈夫だったみたい…」
ウマ夫
「…ウンコはいつ漏らしたんだ?…」
ポテ子
「そのときじゃない?」
ウマ夫
「それとも…イダくて便所さ行げなかったのが?…そんで出ちったのが?」
ポテ子
「行けなかったんじゃないよ…お嫁さんがすっとんでったとき爺ちゃんは気ぃ失ってもうウンコ出てたらしいもん…ぶつかった衝撃で出ちゃったんだよ、きっと…。部屋中スッゴイ臭いだったって云ってたから…」
父
「そりゃーそうだっぺぇー、クソ出っちまったらなぁ…くせーべぇ…あの爺ちゃんはなんでもよぉ、さげ(酒)は水の代わりだって云ってだんだっぺよなぁ…」
ウマ夫
「酒が水の代わりー?…(驚)」
父
「んだよ。…嫁が前にさげ(酒)を呑みすぎねぇように云ったんだど…そしたら『オレにとってさげ(酒)は水のようなもんだがら』って云われたんだど…」
ポテ子
「余計なこと云うなってことでしょ…好きなように呑むって云いたかったんじゃない…」
父
「んだな…自信もあったんだっぺよ…さげ(酒)強がったがら…」
ウマ夫
「もぉー云えめぇー!…クソまみれになっちまったんだがらな!…頭あがんめぇ!…(笑)」
父
「爺ちゃん…目ぇ冷めでなんて云ったんだっぺ?…困ったっぺなぁ…」
ポテ子
「覚えてなかったみたい…おでこの絆創膏さわって『あれぇ~どうしだんだっぺぇ…?』…とか云ってたっていうから。ま、わざとそうしてたかもしんないけどね…(笑)。お嫁さんは大変だったろうね…ウンコの全部着替えさせたり、掃除したりしたんだから…ねぇ…」
父
「あ~、大変だっぺ~!あがんぼうと違って体がいがい(大きい)がんなぁ…思うようにいがねーべ……だけんとが…そんなことぐれぇ…あっぺよなぁ…」
ウマ夫
「ああ…俺もションベン漏らしちまいそうになったこと…あんなあ…(笑)…でもウンコはな…すぐ出るかぁー?(笑)」
父
「誰も自分から云いたくて云ったわげじゃあんめえ…」
ポテ子
「自分からは云ってないでしょう?…そんなこと…わざわざ云いたくないでしょう、誰も…『いやぁーこのあいだオレ…クソ漏らしちまいました!…』…なんて云わないでしょ絶対…(笑)」
ウマ夫
「誰から聞いたの?」
ポテ子
「お嫁さんだよ」
ウマ夫
「ハハハ…嫁さんが云ってたんだ…。クソまみれで大変だったんだっぺよ(笑)」
父
「本人が云わなぐたって嫁が云えば分がっちまぁべよ…こないだうちに来だどぎ…『うちの爺ちゃんがクソまみれになってだ!』って云ってんだがら…なぁ(苦笑)…」
ポテ子
「うん…」
父
「そんなの…誰だって…あっぺ…」
ポテ子
「ねぇ、お父さん…さっきから『そんなことあっぺ』とか『誰だってあっぺ』とか云ってるけど…もしかして…お父さんもウンコ漏らしてんの?」
父
「いんや」
ウマ夫
「いいや爺ちゃん、さっきがら聞いてっど…なんかおかしいどぉー(笑)…爺ちゃんもクソ漏らしてんじゃーあんめえな(笑)!」
ポテ子
「そうだよ!なんかおかしいよぉー!(笑)」
父
「…無言…」
ポテ子
「お父さんウンコ漏らしたことあるんでしょう!?」
ウマ夫
「そうだよ爺ちゃん正直に云え(笑)!!」
父
「…あっぺ…」
ポテ子・ウマ夫
「…えっ…」
ポテ子
「アハハハ…お父さんウンコ漏らしたことあるんだ?」
父
「…クソぐれぇ…誰だってあっぺ…」
ポテ子・ウマ夫
「…絶句…」
ポテ子
「あ…あたしもある…」
ウマ夫
「ええ~!!母ちゃんウンコ漏らしたことあんのぉ(驚)??」
ポテ子
「うん…間に合わないときあるもん…」
ウマ夫
「間に合わねーったって…パンツん中にウンコ出しちまーの?…」
ポテ子
「ゆるくて突然もよおすときってあるじゃん…急に…アッ!ヤバイヤバイヤバイ…って…いっそいでトイレに駆け込んで座った途端にダーッて出てさー、あ~…もうパンツの中で出ちゃってたかなー?…って思って…そーっと見たらセーフとか、あ~くっついてたー!とかサァ…」
ウマ夫
「…あー、そういうことってあんなぁー。あ、思い出した!!兄貴さぁー東京でクソ漏らしちまったことあんだよ!…な、かーちゃん!かーちゃんにも一度云ったっぺよ!(笑)」
ポテ子
「そうだった…思い出した…(苦笑)」
父
「なんだ…?」
ウマ夫
「兄ちゃん東京で働いていたとき腹が痛くなっちまって、必死こいで歩いてさがしたけどどこにも便所がねえんだと(笑)」
父
「そりゃ…大変だっぺ…んでどうなったんだ?…」
ウマ夫
「我慢しきれなくてパンツん中に出っちまったんだっぺよ!…仕方ねーからその後見つかったコンビニのトイレで、パンツ丸ごと捨ててきたんだと(大笑)」
父
「あぁぁ…」
ポテ子
「…仕方ないよねぇ…」
ウマ夫
「…あーそう云えば芸能人でもそんなごとあったっけなぁ…(笑)」
父
「そうが…?」
ポテ子
「そんなことあるでしょう!…みんな…」
ウマ夫
「ホントは…オレもあんな(恥)…。風呂入っててよー、急に腹が痛くなっちまって…ほんの少しだよ!…こんぐれーだかんね!…出っちまったんだよ…。そんで父ちゃん呼んでよー、『このウンコティッシュに包んでトイレに捨ててくれ』って頼んだんだよ…そしたら父ちゃん『いやだ』つうんだよ!…だもん、排水口に入れて流しちまったっぺよ(笑)」
ポテ子
「やーだ…知らなかった~(笑)。…みんなあんのよ…そんなこと…」
父
「あっぺ…クソぐれぇ…」
ウマ夫
「んだな、みんなあんな…」
生きていれば色々ありますもん…ウンコぐらい…笑うほどのことでもなかったな…と妙に納得してしまいました(笑)。
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ではまた次回お会いいたしましょう(^^)/