やっぱりご飯がすき・茨城のポテ子福福・田舎生活ダイアリー

農業を継ぐことになった50代主婦ポテ子の日常

「あなたたち、もう一度やりなおしよ」

 

 

小学校3、4年生のころのできごとです。

校舎と校舎の間にある渡り廊下をポテ子は友達と二人で歩いていました。

正面からは一人の女子生徒がこちらに歩いてくるのが見えました。

歩いてくる女子生徒とポテ子達との距離が近づくに従って相手はどうやら上級生だな…と分かりました。

躰はポテ子達よりも小柄でしたが同級生にはいない顔だったし、整った色白の中の目がポテ子達をしっかりとした視線で捉えていたのでそう思ったのです。

小学校の生徒は全学年で千人ほどいましたから全員の顔は覚えていなかったと思います。けれど歳の近い学年は兄弟がいる関係で比較的見知っていたように思いました。

けれどもその女子生徒の顔は見たことのない顔でした。

正面から歩いてくる女子生徒のこじんまりと整った顔がしっかりとポテ子と友達を捉えややきつい顔をしていたので、ポテ子達は躰を固まらせて無難に通り過ぎようとしました。いよいよ擦れ違うと思ったそのとき女子生徒はピタリと足を止めました。

そして

「あなたたち左側通行、もう一度やり直しよ!」と云ったのです…。

 

ポテ子はポカンと口をあけるほどびっくりしたのを覚えています。

「…はい」と云って友達と直ぐに渡り廊下の最初に戻り歩き直しました。

云われた通り右側を歩き直して校舎にだどり付き二人でそっと後ろを振り返るともう女子生徒の姿は見えませんでした。

ポテ子と友達で顔を見合わせ…クスクスクスクス笑ったのを思い出します。

先生は確かに「廊下は右側を歩くようにしましょう」と指導していましたが、左側を歩いたからと云ってやり直させると云うことまではしていませんでした。

ですがその女子生徒の毅然とした物言いには有無を云わさないものを感じたのでした。

それに「あなたたち」と云う云い方をする人も殆どいなかったと思います。

ポテ子と友達は暫くのあいだ別の友達に

「あなたたち左側通行、もう一度やりなおしよ」と真似をして云う遊びをしていました…。

その上級生とまた会うかもしれないと思いポテ子と友達は渡り廊下のあたりをウロウロしてこっそり探したりしたこともありましが、その後彼女を見たことはありませんでした。

それだけのことです…。

ポテ子が一緒にいた友達はだれだったのか…は忘れてしまいました。

けれどその一回しか会っていない女子生徒の印象は強烈に焼き付いているのです…。

 

「あなたたち左側通行、もう一度やりなおしよ」

 

 

「あなたたち左側通行、もう一度やりなおしよ」…

 

 

ときおりこの言葉がポテ子の頭の中でこだまするのです…。

 

 

「…もう一度やりなおしよ」

 

 

「…やり直し…」

いつからかポテ子ははっきりとしたメッセージとして受け取っていたような気がします。

 

失敗したら…やり直し…

間違えたら…やり直し…

幾つになっても…

やり直し…

やり直せばいい…

やり直したところから、また新しく始まれる…

 

間違いに気づいたら…

やり直し…

 

 

失敗だと気付いたらそこからやり直すことができるんだ…

だから諦めなくていいよ…

失敗したら…やり直せばいいだけなんだから…って…

 

 

ご購読ありがとうございました。<(_ _)>

ではまた次回お会いいたしましょう