やっぱりご飯がすき・茨城のポテ子福福・田舎生活ダイアリー

農業を継ぐことになった50代主婦ポテ子の日常

稲がほきてきた!

追肥やんねげダメだ!



「おーい、ポテ子見でみろ。稲がほきてきたどー。」父が稲の茎を数本持って立っています。
ポテ子
「あぁん?ホ…きてきた?…」

「んだ、ほきてきたんだ。これ見でみろ…ほきてきたっぺ!」稲の茎を私の目の前に差し出します。
ポテ子
「何これ…何云ってんの?…」稲の茎を受け取って見てみてもポテ子には意味が分かりません。

「分がんねのか…、ホレ…こうしてみっと分がっぺ…」父はしゃがみこむとポケットからカッターを取り出し稲の茎を地面に置くと端を手で押さえ、魚のお腹を割くように縦にそぉっと刃を入れました。そして茎の皮を開いて見せてくれました。
ポテ子
「「あっ…」

「なぁ、ほきてっぺ…どうだ?」
ポテ子
「稲穂の子どもの形ができてる…。もうできるんだ!…《ほきてる》って稲穂ができはじめているってこと?」

「んだな。そう云うごどだな。だがらな、もう追肥をやんねーといげねー。まだ実の入んねーうぢに今やんねーとダメだ。」
ポテ子
「出穂の20日から25日前に追肥をやるってネットで出てたけど…、それが今なんだぁ…。稲の茎を見て分かるんだ…ね…お父さん…」

「そんなの分がっぺ」
ポテ子
「すごいね、お父さん…」

「へへへ…」父はちょっと照れ臭そうに笑いました。


追肥は顆粒の化成肥料なので田んぼに水が入ってないと溶けません。紐をつけたざるを肩に掛け父と二人で追肥の作業にかかりました。
少し前に降った除草剤がよく効いていました。ヒエが大発生していたのがきれいに枯れ稲が大きくなっていました。
除草剤と云っても色々な種類があります。
田植え直後に降るもの、田植えが済んで少し経ってから降るもの….草が少し大きくなってしまったとき降るものなど…。
田植えが済んで少し経ってから降る除草剤は草がまだ大きくならないうちに降るのが一般的だと思います。ポテ子のうちでは今回ヒエが大発生していまいました。これまで使っていたのは【バサグラン】と云う除草剤でしたがヒエには効果がないらしい…ということでネットで調べヒエにも効く【クリンチャーバス】と云うものに変えました。
値段はバサグランと同じくらいだったので助かりました。
ただ除草剤を降ってみて分かったのですがクリンチャーバスはかなり強い薬である、と云うことを実感しました…。
除草剤は息子のウマ夫が降ってくれましたが始まって直ぐ戻ってきました。マスクをしていても息が苦しくなってまるで喘息の発作が起きたみたいに苦しい…と云うのです。急いでホームセンターで防毒用マスクと云うのでしょうか…、酸素を吸う穴が別口で付いているタイプのものを購入してきました。
農家で使っている薬は毒薬である…と云うことを実感しました。


映画「奇跡のりんご」を思い出しました。農薬で苦しむ奥さんを見ていて農薬を使わない農業を模索し…ついには奇跡のりんごを誕生させた人…。
あの方なら色んな知識があるのだろうな…。そういう知識がこの世に当たり前のように出回ればなぁ…。


除草剤を初めて降ると草は枯れます。しかし段々耐性がついてきて枯れないものが出てきます。なのでもっと強いものに変えます。それにさえ枯れないものが出てくると…恐らく更に強いものに変えることになるのでしょう…。
ヒエはイネ科の植物です。本来ならヒエが枯れれば稲も枯れると思います。しかし稲は枯れない…。一体どういうことなのでしょうか?
遺伝子の中を操作しているということ?(よく分かりませんが)
クリンチャーバスは繰り返し何度も使用することはできないようです。稲が耐えきれなくなってしまうようです。
植物が枯れるということは人間にも勿論毒であるということです。
これを使わない方法はないのだろうか…。う~ん…。
今に農薬を使わない農業がきっとやってくる…!そう信じます…。
取り敢えず今は使います。じゃないと作物が作れないのです。トホホ…です。(悲しい)

父と二人で肥料を撒いていると父がやたらに「ほきてる」を連発します。

「おーポテ子、そごいらはほきってっぺ?」
「あ~、こごいらはよぐほきてら…」
「ポテ子、こごぐらいほきてるとご(処)には肥料やんなよ(やるなよ)」

あとで母に確認すると《ほきてる》とは…、稲の穂が茎の中にでき始まっていることと云う意味の他に、勢いよく成長していること…の意味があることが分かりました。(^-^)
とにかく何でも覚えよう!農業一年生なんですから…。お父さん今日も色々教えてくれてどうもありがとうございます。<(_ _)>


ご購読ありがとうございました。<(_ _)>
ではまた次回お会いいたしましょう('◇')ゞ